借金の支払いが遅れに遅れてしまい、ある日、いつもの督促ハガキとは雰囲気の違う封筒がポストに。
とうとう裁判所から「支払督促申立書」が届いてしまった!ヤバい!どうしよう!
このように裁判所からの書類が届いてしまった場合、どのように対応すればいいのでしょうか?この記事では金融機関の「法的措置」について解説します。
支払督促申立書や強制執行・差し押さえ|法的処置の対処法
支払督促申立書や強制執行・差し押さえ
消費者金融のキャッシングでも銀行カードローンの借金でも、返済が遅れると電話や郵便で督促が行われます。
この段階で返済すれば大事にはならないのですが、電話や郵便を無視したり返済しないでいると金融会社から法的措置を取られてしまいます。
金融会社が直接法的処置を取らずに、債権(お金を貸している権利)を債権回収会社へ回すこともありますが、その場合でも最終的には裁判になります。
裁判中に月々の返済額を決めて和解することもありますが、まれに裁判の判決が出て、強制執行による給料や財産の差し押さえをされることがあります。
支払督促申立書とは
金融機関の「法的措置」は、まず「支払督促申立書」が裁判所から届くことから始まります。
この支払督促申立書を簡単に説明すると「当初の契約通りに返済がなされていませんので、法律に基いて返済の計画を立て直しませんか?」となります。
決して、「今すぐ全額払え!さもないと給料も財産も差し押さえるぞ!」などと脅したり、無茶なを言っているわけではありません。
この段階で、きちんと対応すれば大事にはなりません。
借金返済が延滞した時の裁判の流れ
では、支払督促からの基本的な手続きの流れを解説します。
- 支払督促申立書が届く
- 異議を申し立てる
- 裁判所へ出廷する
- 和解もしくは強制執行
- 支払督促申立書・異議申立て
支払督促申立書が届く
まずは、裁判所経由で支払督促申立書が届きます。
これは「法律に基づいて支払いの計画を立て直しませんか?」という通知です。
支払督促申立書は勤務先には送付されない決まりなので必ず自宅に送られてきます。
異議を申し立てる
支払督促申立書と一緒に「異議申立て書」が同封されています。
もしこの申立てに身に覚えがない場合や、一括の返済は無理ならば、この申立書を使って異議申立てをします。
この時点では「異議あり」とだけ書いて返送することになります。
異議申し立てすると訴訟へ移行します。
支払督促申立書を無視していると、次は仮執行宣言付支払督促申立書が届きます。
これは「借金を認めたものとして判決が確定し、強制執行しますよ?」という通知です。
これにも異議申立てができるようになっており、異議申し立てすると訴訟に移行します。
仮執行宣言付支払督促申立書を無視すると、強制執行されます。
いずれにしても裁判所からの通知を無視すると後に取り返しがつかないことになるので、誠実に対応しましょう。
強制執行では給料の差し押さえや財産の差し押さえが可能となるので、一括返済ができる場合や夜逃げをするのでなければ、異議申立書を返送するようにしましょう。
訴訟(裁判)
異議申立をした後は「訴訟」に移ります。
「訴訟」になると、裁判所に出頭して、今後の支払いについて金融機関と話し合うことになります。
通常はこの話し合いを通じて返済方法を新たに決める「和解」をすることになります。
もし、今後も返済の目処がつかないようなら、弁護士等に相談して債務整理・自己破産の手続きをしましょう。
和解
訴訟や裁判と聞くと差し押さえを連想する人もいますが、多くの場合は和解で終了します。
和解と言っても借金が帳消しになるわけではありません。
キャッシングや借金を分割払いしていくことになります。
和解した場合の注意点としては、和解文書には大抵「返済が滞った場合はすぐに給料や財産の差し押さえをする」という文言がはいっていることです。
裁判所を介しての和解なので、次に延滞した場合は裁判をせず、すぐに差し押さえされてしまいます。
金融会社と和解する場合はくれぐれも無理なく確実に返済できる金額にしてもらいましょう。
強制執行・差し押さえ
裁判で和解が成立しなかった場合には、判決がでます。お金を借りていて返済が滞っているわけですから、「借りたお金を返しなさい」という判決になります。具体的には、給料や財産(車や家等)を差し押さえて処分して支払えということになります。
強制執行と差し押さえ
一般家庭の財産と言っても、車や家くらいしかお金になるものもありませんから、預金口座や給料が差し押さえられることになります。
給料差し押さえ
給料の差し押さえは、税金や社会保険料を除いた額の4分の1までが対象となります。
全額ではないので生活はなんとかできると思いますが、差し押さえ礼状は勤め先に送付されるので、その時点で借り入れと返済が滞っている事実がバレてしまいます。
お金を扱う仕事をしていたり、お硬い職場だと問題になる可能性もあります。
給料差し押さえの具体例
たとえば、給料が30万円で、税金や保険料を除いた手取りが24万円の人の場合、24万円の4分の1である6万円が差し押さえられます。
6万円取られるのはきついですが、手元に18万円残るので、生活していくことはできるはずです。手取り20万円の人であれば5万円、手取り15万円の人であれば3万7500円が差し押さえられます。
財産の差し押さえ
財産の差し押さえは、土地や建物があれば差し押さえられますが、家財道具を持って行ったりということはあまり無いようです。
財産なんて何もない、給料も少ないから差し押さえられても別に構わないという方もいらっしゃるかもしれませんが、強制執行・差し押さえの事実は個人信用情報機関に登録されます。これからさき金融機関から新たに借り入れをすることが困難になります。
また、支払督促申立書から裁判と精神的な負担も大きくなりますし、社会的な信用も失うことになります。
キャッシングは簡単に利用できて便利なものですが、甘く見ていると社会的な信用を失い、取り返しの付かない事態に陥ることもあります。
キャッシングを利用するときは自分の収入を考慮して無理のない返済計画を立ててご利用ください。