任意整理は、弁護士や司法書士に依頼し、債権者と交渉し、金利の引き直しや利息カットなどを行い、債権者と債務者が合意の上、返済額の総額を減額して個人を守るための制度です。
この記事では、任意整理の手続きとポイント、メリット、デメリットをFPが解説します。
多重債務で苦しんでいる方は是非参考にしてください。
任意整理の手続きとポイント
任意整理は、弁護士や司法書士に依頼し、債権者と交渉し、金利の引き直しや利息カットなどを行い、債権者と債務者が合意の上、返済額の総額を減額して個人を守るための制度です。
特定調停では、裁判所の調停委員が債務者と債権者との間に入って交渉しますが、任意整理では裁判所の介在はありません。
任意整理は、特定調停や個人再生と同じく借金の減額が目的で、返済は続けていくことになります。
同じ借金整理の枠組みにある自己破産は、借金がチャラになるので、この点が任意整理とは異なります。
任意整理の流れ
- 依頼
- 受任
- 受任通知を発送
- 取引履歴の開示
- 利息制限法による再計算
- 債務の確定
- 弁済案の作成
- 債権者との交渉
- 和解
- 弁済開始
任意整理のメリット
任意整理のメリット
- 将来の利息の支払いが免除される
- 一部の債権者に対して整理することもできる
- 自己破産のような資格制限がない
任意整理が成立すると、利息制限法による引き直しを行い、過払いが発生している場合は、利息を元本に充当し借金を減額できます。
整理する債権者を選ぶことができるので、たとえば、友人と消費者金融から借金している場合に、友人に対する借金は今までどおり返済し、消費者金融に対する借金は債務整理するということも可能です。
自己破産のような資格制限がないので、宅地建物取引業者、証券会社外務員、警備業者、警備員などの職に就いている人でも、今までどおりの仕事を続けることができます。
任意整理のデメリット
任意整理のデメリット
- 元本を減額することはできない
- 任意整理が不成立になることもある
- 信用情報機関に事故情報(異動情報)が載る
任意整理では、利息分を減らしたりゼロにすることはできますが、元本は減額されません。
任意整理成立後も元本は原則3年間で分割払いしていくことになります。
借金の返済そのものが難しい、または不可能な人は、自己破産や個人再生を選択することになります。
任意整理を申し立てられたら、貸金業者などの債権者は必ず受け入れなければいけないという法律はありません。あくまでも話し合いの上で合意(和解)することで成立する制度です。
貸金業者が任意整理には絶対に応じないと突っぱねれば、和解不成立となり、自己破産や特定調停、個人再生など別の方法を模索することになります。
任意整理も他の債務整理と同様に、信用情報機関に事故(異動)情報が載るので、5~7年間は新たに借入するのが難しくなります。
任意整理した後は借りられない?
任意整理後、原則として5年から10年は新たな借入はできません。
ただし、大手とは異なる独自の審査基準がある中小消費者金融なら個人再生後でも借りられる可能性があります。
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