公立中学校の給食費や実施率~給食費未納問題と給食費無償化への提言~

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公立中学校の給食費や実施率~給食費未納問題と給食費無償化への提言~

FP みなみ

中学に入学すると給食が始まるというご家庭も多いのではないでしょうか?このページでは、公立中学校の都道府県別の給食費や給食費未納問題をご紹介します。

公立中学校給食費

文部科学省の平成30年度「学校給食実施状況等調査」によると、公立中学校の給食費負担平均月額は4,941円でした。5年前と比べて200円ほど高くなっています。

全国の月額給食費の高いところと低いところを、都道府県別で見てみましょう。

公立中学校で給食費が高い都道府県

  1. 長野・・・5,806円
  2. 新潟・・・5,735円
  3. 石川・・・5,563円
  4. 富山・・・5,661円
  5. 島根・・・5,406円

公立中学校で給食費が安い都道府県

  1. 三重・・・4,017円
  2. 鹿児島・・4,123円
  3. 沖縄・・・4,198円
  4. 茨城・・・4,169円
  5. 滋賀・・・4,349円

給食費の一番高い長野県と一番安い三重県ではなんと1,800円も開きがあります。

都道府県別 公立中学校の給食費一覧

北海道5,078
青森県5,130
岩手県4,752
宮城県4,941
秋田県5,309
山形県5,223
福島県5,167
茨城県4,169
栃木県5,109
群馬県5,043
埼玉県4,804
千葉県5,294
東京都5,247
神奈川県4,788
新潟県5,735
富山県5,661
石川県5,563
福井県5,170
山梨県4,998
長野県5,806
岐阜県5,312
静岡県5,356
愛知県4,860
三重県4,017
滋賀県4,349
京都府4,791
大阪府4,733
兵庫県4,606
奈良県4,569
和歌山県4,838
鳥取県5,239
島根県5,406
岡山県5,371
広島県4,813
山口県4,923
徳島県5,295
香川県4,960
愛媛県4,517
高知県4,740
福岡県4,632
佐賀県4,788
長崎県4,615
熊本県4,688
大分県4,736
宮崎県4,775
鹿児島県4,123
沖縄県4,198
平均4,941

都道府県別学校給食実施状況

全国で学校給食を実施している中学校は89.9%です。

中学校総数10,151校実施率
給食実施校の数9,122校89.9%
完全給食86.6%
捕食給食0.4%
ミルク給食2.9%
  1. 完全給食:主食、ミルク、おかず等
  2. 捕食給食:ミルク、おかず等
  3. ミルク給食:ミルクのみ

全ての公立中学校で完全給食を実施している県は平成30年度では、福島・千葉の2県だけです。

完全給食実施率は全国平均93.3%ですが、中には実施率80%を割っている県もあります。

  • 神奈川・・44.5%
  • 滋賀・・・65.3%
  • 佐賀・・・72.9%
  • 京都・・・75.5%
  • 高知・・・77.1%
  • 高知・・・77.1%

給食費未納問題

給食費支払い

給食費未納の小中学生の割合は0.9%、未納となっている金額の割合は0.4%と文部科学省は発表しています。

未納割合の0.9%は、国民健康保険料の滞納率が10%近いことと比べると、それ程高い割合ではありません。

しかし、給食費未納については「払えるのに払わない保護者がいる」、「親の責任感がないのが問題」だとする意見が散見されます。

この意見は、未納原因を学校に聞いた結果として、「保護者の経済的な問題」よりも、「保護者としての責任感や規範意識」すなわち「親のモラルの問題」が多いという調査報告を文部科学省が発表し続けていることの影響を受けていると考えられます。

しかし、この調査結果だけで給食費未納を親の責任として片付けることには、疑問があります。

学校では「保護者の経済的な問題」があるかないかを正確に把握することはできません。

たとえ保護者が職業に就き収入があるように見えても、他人に知られたくない「借金返済の問題」などは第三者からは窺い知ることができません。

また2009年度から2016年度までの調査では、給食費が未納となっている金額の割合は、常に小学校より中学校が高くなっています。

未納の主な原因を「親のモラルの問題」と考えると、小学生に比べて中学生の「親のモラル」が低いというおかしな結論を導くことになってしまいます。

はたして、給食費未納の原因を「親のモラルの問題」と決めつけることが正しいのでしょうか?

2016年度の調査では、給食費以外の学校に納める費用に滞納がある子どもが、小学生約15%に対して、中学生では40%に上ることもわかっています。

むしろ中学生になると子どもが学校に通うための費用が増えることが問題です。

憲法26条には「義務教育は無償である」とあります。

しかし、実際には、学習塾などの費用を除いて直接公立学校に通うための費用に限定しても、小学生で年間約10万円、中学生になると約18万円も必要です。

中学生になると、制服代・クラブ活動費・修学旅行費などの金額が大きく増えます。

この結果、小学生より中学生の給食費未納が生じやすいと考えられます。

給食費無償化に向けて

給食費のうち、保護者が負担しているのは材料費だけで、既に人件費や設備費は税金で賄われています。

経済的に困っている保護者の申請によって給食費を支援する就学援助という制度もありますが、必要な人が知らないという周知の問題や、特別の支援を受けることには躊躇、恥ずかしさなどが伴うという制度上の欠陥があります。

経済的な困難を抱える子どもだけでなく、小中学生全員の給食費を無償にしたり、一部補助したりする自治体が最近増えてきました。

全国の約30%の自治体で、所得制限のない給食費支援が既に行われています。

親が給食費を払ってくれるかどうか心配することなく、全員が安心して給食が食べられるよう給食の無償化を、国の制度として検討すべき段階に来ているのではないでしょうか。

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FP みなみ

債務整理や自己破産歴がある方でも安全安心に融資を受けられるように「お金を借りる相談所」を通じてサポート活動を行なっています。記事の監修はFPの南圭介が、また記事の執筆はWEBコンテンツマーケティングを行うはるデザイン合同会社が行なっています。

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