急な出費にAさんは肩を落とす。
「引越してすぐにソレが始まったんです。夜中の3時とか4時頃に隣の部屋から大きな声が。はじめは早口な女性の声で相手を詰めてる感じ。それで男性がキレて怒鳴り声がするとそれよりも大きな女性の金切声が…。もう毎日毎日ソレが行われるんです。特に満月が近くなるとソレはひどくなるみたいで、地団駄を踏む音とか物を投げる音とか。地団駄を踏む人なんてホントにいるんですね。マンガとかアニメだけかと思ってましたよ。挙句は飼ってる猫チャンに当たり散らす声。猫ちゃんに当たるなんてホント最低なヤツですよね。」
騒音トラブル
コロナ禍で在宅時間が増える中、近隣住人との騒音トラブルが増えています。
管理会社にも何度も相談したそうだが、「ケンカの声が大きくなることはあっても小さくなるなんてことは一度もありませんでしたね。」とAさんは憤る。
「直接文句を言いに行くことも考えたけど、そもそも深夜3時4時に近所迷惑も考えずに大声で喧嘩するなんてまともじゃないですよね。逆ギレされて刺されたりしたら嫌ですもんね…」
生活騒音の場合、事件や事故のように重大性がないからといって通報を躊躇してしまうかもしれませんが、度を越えた騒音は不法行為ともなりますので緊急性のある、耐え切れない騒音が発生している場合は遠慮なく警察に通報を行いましょう(後述のとおり、緊急性のない相談などについては警視庁の相談ホットライン「#9110」などを活用するようにしましょう)。警察は騒音の通報を受けた場合、現場に向かい、騒音源(騒音を発生させている人)に注意を行ってくれます。刑事事件に発展していない場合、警察に音を止めさせる強制力はないものの、警察が来たという事実により、多くの人は音を出さないようになるため、高い即効性を望めます。また直接苦情を言うよりも、騒音主の反感を買うリスクが無いことも大きなメリットのひとつです。
引用 日本騒音調査 ソーチョー
睡眠を妨げられたAさんは仕事でもミスが増えてしまう。このままではダメだと引越しを考えはじめた。
※不眠になった人はその後3年間にうつ病になるリスクが4倍も高まるとされています。また、不眠が1年間以上続いている場合は、うつ病になる危険性が40倍になるという報告もあります。
「騒音被害にあってる自分がなんで逃げるように引っ越さなきゃ行けないのか理不尽さを感じないわけではないんですが、頭のネジが緩んでる人たちとは関わらないのが1番だと思ったんです。それで今すぐにでも引っ越そうと決意しました。」
しかし、困ったことにAさんには貯金がほとんどなかった。それは昨今のコロナ禍も影を落としている。
「コロナの影響もあって残業が減ったり、ボーナスがなかったりで収入が減りました。思うように貯金もできないですね。」
引越しを諦めることも考えたが、そのたびに繰り返される叫び声と怒鳴り声。結局、消費者金融からの融資で引越し費用を賄うことに。
「ホントに急な引越しだったので100点満点の物件というわけでもないんですが、一先ず静かな部屋だからよく眠れてます。」と苦笑するAさん。
「勤務先まで遠くなってしまったのも地味に痛いかもですね。これから返済もあるし節約していかなきゃですね。」
生きていると理不尽な目に遭うことは多いがAさんは静かな日常を取り戻し、返済も見据えて前向きに頑張っている。