株式会社日本信用情報機構(JICC)は、貸金業法の指定信用情報機関になるので、現在、多くの消費者金融会社が加盟をしています。
貸金業法の指定信用情報機関には、他にも、株式会社シー・アイ・シー(CIC)がありますが、こちらは、割賦販売法の指定信用情報機関でもあり、主に信販・クレジット会社が加盟しています。
店舗に行って面談のうえ融資を受ける「対面型与信」ではなく、インターネットキャッシングなど、借り手が見えない「非対面型与信」が主流になってきている現在では、JICCから得られる情報は、消費者金融会社が与信を行ううえで重要度を増しています。
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JICC加盟会社は消費者金融だけではありません
2021年8月末時点で、JICCの加盟会社は、1,316社あり、「消費者金融、信販会社、流通系・銀行系・メーカー系カード会社、銀行等金融機関、リース会社、保証会社」が加盟しています。
また、JICCの情報は、預金取扱金融機関(銀行や信金)にも開放されているので、銀行で住宅ローンやカーローンを契約する際は、「消費者金融の借入情報」も返済能力調査の対象となっているのです。
「JICCでわかる情報は、消費者金融会社の情報だけ」と思っている方も多いと思いますが、JICCには消費者金融以外の加盟も多く、それらの負債額も判明してしまいます。
与信担当者はJICC情報のどこを見ているか
では、実際に与信担当者は、JICC情報のどこを見ているのでしょうか?ポイントとなる項目をご紹介いたします。
本人要件の確認日
本人要件情報(住所、電話番号、勤務先等)には確認日が付帯されているので、その情報がいつの時点での情報かを確認できるようになっています。
これを確認することで、最近、住所、電話番号、勤務先が変更したばかりかどうかがわかります。(仮に、JICC情報で判明した勤務先情報が、本人の申告と相違していたとして、本人要件確認日が、最近の日付になっているのであれば、“勤務先が変わったばかりの可能性がある”という判断ができます。)
現時点での入金遅れの日数
契約ごとに、「次回入金予定日」が示されているので、JICCを照会した日付より、前の日付が示されていれば、入金遅れと判断されます。
加盟会社の種別
会社識別情報で、融資している加盟会社の種別(貸金業者か貸金業者以外か)がわかります。
貸金業者の場合は、入金などの情報更新はリアルタイム(毎日)で更新することが義務付けられています。(物販などは概ね、月3回。よって、物販などは実際に入金になっていても、情報が未更新のケースも考えられます。)
そのため、貸金業者の情報は、照会時点でタイムラグが少なく、かなり正確性の高いものになっています。また、貸金業者の督促業務も一般的に厳しく行われているので、貸金業者の入金遅れ1ヶ月以上などの問題債権と判断されます。
入金履歴情報
契約ごとの延滞記録が、直近12回分表示され、他社での支払状況を把握されます。他社の支払が毎月、延滞ばかりの方は、もちろん審査通過は難しくなります。
逆に、属性が悪くても、他社の支払状況がしっかりしていれば、審査は通過しやすくなります。特に中堅クラスの消費者金融会社には、大手に比べて属性の良い申込者は少ないので、与信担当者にとっても他社の支払実績がわかるこの項目は最大のポイントになっています。
借入件数残高情報
顧客の過去の借入件数、残高の履歴が表示されます。これによって、現在の負債に至るまでの推移を把握されます。(負債が増加傾向なのか減少傾向なのか、急激に増加したのか緩やかに増加したのか、過去の最大の借入残高はいくらか等)
もちろん、負債が急激に増加している方は敬遠される傾向にあります。
本人特定支援情報
半年間は、申込みによって加盟会社がJICCへ照会した履歴が残っています。その件数や期間を確認することで、その顧客が、どの期間に何社に申込みをしたかが判明してしまいます。
短期間に申込みが極端に集中している方は、敬遠されることになります。