2021年3月に娘の結婚を予定していたAさん(54歳)。
そんな折、Aさんの実父(70歳)が自宅で転倒して骨折。さらに入院先で肺がんも見つかった。
幸い術後の経過は良く、現在はともに暮らしているが、結婚式で実父はもちろん家族もろとも新型コロナに感染した場合、実父の命に関わる事態になりかねない。
肺がん手術費用の目安
※あくまでも一般的な金額であることにご注意ください
肺葉切除
平均的な入院日数:8日
医療費総額:約170万円
患者さんの自己負担額
3割負担の場合 約50万円
2割負担の場合 約35万円
1割負担の場合 約18万円
区域切除
平均的な入院日数:7日
医療費総額:150万円
患者さんの自己負担額
3割負担の場合 45万円
2割負担の場合 30万円
1割負担の場合 15万円
部分切除(楔状切除)
平均的な入院日数:7日
医療費総額:130万円
患者さんの自己負担額
3割負担の場合 40万円
2割負担の場合 25万円
1割負担の場合 13万円
上記の金額には食事代、差額ベッド代、パジャマ代等は含まれていません。また差額ベッド代は健康保険の対象外なので全額自己負担となります。
そのため結婚式を延期することにしたが、すでに変更可能期間を経過していたため、350万円の式場代金のうち約100万円、飛行機代、ホテルの分を含めると約130万円のキャンセル料を支払うことに。
※結婚式とクラスター
大分県と大分市では2021年4月24日、結婚式披露宴で新型コロナ感染クラスターが確認されたことを公表。コロナ禍での結婚式は命懸けですね。
結婚式のキャンセル料の目安
挙式日の179日~150日前まで/申込金の全額+実費
149日~90日前(約3ヶ月前)まで/見積もり金額の20%+実費
89日~60日前(約2ヶ月前)まで/見積もり金額の30%+実費
59日~30日前(約1ヶ月前)まで/見積もり金額の40%+実費
29日~10日前まで/見積もり金額の45%+外注解約料(司会など)+実費
9日~前日まで/見積もり金額の45%+外注解約料+納品済み物品代金
挙式・披露宴当日/見積もり金額の100%
「父親の入院や手術の代金を負担していたので貯金もなく消費者金融で50万円ほど借入してキャンセル料を支払いました。返済金額は月々に1万8千円ほどなのでなんとかなるとは思っていますが、こういったご時世ですから不安もありますね。」
返済期間を縮める策は?
「こちらの都合で結婚式をキャンセルしたので娘の夫側に援助は頼めません。
新型コロナのせいで残業も減ったので収入も減りました。それなのに副業禁止なので収入を増やす手立てはありません。妻は実父のサポートをしてもらっているのでパートやアルバイトをというわけにもいかず…。定年後が非常に不安です。」
ちなみにAさん娘さんはAさんからの援助のほかにご祝儀で結婚式費用を賄うつもりだったので将来の出産や子育ての可能性を考えると返済を期待できないと言う。
「大阪府がもっと適切な対応をとってくれていたら…」
Aさんの恨み節は続く。