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クレジットカードの現金化とは|クレジットカード換金業者の巧妙な手口

奥野めぐみ

クレジットカードの現金化とは|クレジットカード換金業者の巧妙な手口

私は1,000万円の借金を抱え自己破産しました。

銀行、信販会社、消費者金融など借りられるところからは全て限度額いっぱい借りてしまい、新たに借り入れできる先がなくなってしまったとき、頼ろうとしたのが「クレジットカードのショッピング枠の現金化(=クレジットカードの現金化)」でした。

クレジットカードの現金化とは

クレジットカードのショッピング枠の現金化とは、商品やサービスを後払いで購入するために設定されている「ショッピング」枠を、現金を入手することを目的として利用することです。

クレジットカードの現金化業者の手口(1)

クレジットカードの現金化で一番多い手口は「買い取り方式」と呼ばれるものす。

利用者に、商品(電化製品やパソコンなど)をクレジットカードで購入させ、その商品を(手数料を差し引いた金額)で現金化業者が買い取るというものです。この"手数料"の分が業者の利益になります。

例えば、

  1. 利用者が、現金化業者に指示されるまま100万円の商品をクレジットカードで購入
  2. その商品を業者が買い取る。業者は利用者に90万円の現金を渡す(利用者は90万円GET!)
  3. クレジットカードの引き落とし日がきたら、口座から100万円引き落とされる

この場合、例えば2カ月後に100万円の引き落とし日がくると仮定すると、利息が2カ月で11%、年利に直すと66%(超高金利)で借りているのと同じことになります。

クレジットカード現金化は年利換算するととんでもない暴利なのです。

「一括払いでなく、分割払いやリボ払いにすればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、そうすると今度は、クレジットカード会社の分割手数料が上乗せでかかってしまうので、トータルで見ると余計損することになります。

クレジットカードの現金化業者の手口(2)

クレジットカードの現金化業者の手口として2番目に多いのは「キャッシュバック方式」です。

これは、現金化業者が市場価値のない置物やCD-ROMに高い値段をつけ、クレジットカードを使って利用者に購入させ、キャッシュバックという名目で何割かを現金で戻すという方法です。

例えば、利用者に原価が100円のCD-ROMを10万円で(クレジットカードで)購入させ、8万5,000円をキャッシュバックする、といった具合です。

最近、このキャッシュバック方式で、信用して商品の購入代金を振り込んだのに、自分の口座にキャッシュバック分が入金されない、届いた商品を返品すれば、購入代金の90%を返金すると言っていたのに、返品状況が悪いと言われ、50%分しか入金されなかったといった、トラブルが激増しています。

クレジットカードの現金化業者の手口(3)

最近では、クレジットカードの現金化業者を使わずに、普通のウェブサイトを経由して現金を手に入れる方法もインターネット上で公開されています。

例えば、著作権フリー素材を販売しているサイトで素材を購入し、クレジットカードを使って支払い、その後キャンセルをして返金を求めるという方法です。

この場合、キャンセル返金を受け付けているサイトであることが前提で、そうしたサイトではキャンセル手数料が一律12%などと設定されていることが多いようです。

>10万円の素材をクレジットカードで購入し、キャンセルして返金額8万8,000円を自分の指定口座に振り込んでもらうのです。

クレジットカードの現金化は違法?

クレジットカードの現金化は完全に違法とは言えないものです。だからと言って胸を張って合法とは言えないグレーゾーンの存在です。しかし、クレジットカード会社の規約では、明確にクレジットカードの現金化は禁止されています。

クレジットカードの現金化は詐欺罪で逮捕されることもある

クレジットカード会社はショッピング枠の現金化を規約で禁止しているため、その事実が明るみになると、クレジットカードが利用停止になることもあります。

また、クレジットカード(割賦販売)で購入した商品は返済が完了するまでカード会社にその所有権があるので、上記のクレジットカードの現金化のように購入商品を返却したりキャンセルしたことが判明すれば、、詐欺罪あるいは横領罪として刑事責任を問われる可能性もあります。

実際、クレジットカードのショッピング枠を現金化目的で利用した男性が、2011年に逮捕される事案も起きています。

このとき現金化業者側も高利融資をしたとして、警視庁生活安全課に「出資法違反(高金利)」の疑いで逮捕されました。クレジットカード現金化業者を違法金融業者と認定し、摘発したのは全国でも初めてのことです。

また、自己破産を申請したとき、クレジットカードのショッピング枠の現金化を行っていたことが発覚すれば、免責を受けられなくなる可能性があります。

「クレジットカードの現金化」誘いに乗ってはいけない5つの理由

  • キャッシュバック率の約束は守られないケースが多い
  • 法定金利をはるかに超える高金利
  • カード会社との契約に違反する行為
  • 100%合法ではない
  • 現金化業者に渡した個人情報は悪用される危険

キャッシュバック率の約束は守られないケースが多い

最初は95%とか90%のキャッシュバックと言っていても、何かと理由をつけて引き下げてくるケースが多く、実際に振り込まれるのはたったの50~60%ということが多いようです。

法定金利をはるかに超える高金利

キャッシュバックされた現金は目減りしていますが、カード会社への債務はもちろん満額残ります。リボ払いで返済していくとしても元金プラス18%前後の金利を払っていかなければなりません。

「クレジットカードの現金化」は、法定金利をはるかに超える高金利でお金を借りるのと同じことなのです。

カード会社との契約に違反する行為

クレジットカード発行業社は「クレジットカードの現金化」を禁止しています。もし「クレジットカードの現金化」をしていることがバレてしまったら、クレジットカードの停止や強制解約などの極めて厳しい処置が取られることもあります。

100%合法ではない

現金化業者は、ホームページに「景品表示法を守っています」とか「公安委員会の許可を受けています」などと書いて合法性を印象づけようとしています。

しかし、公安委員会が許可しているのは古物商としての営業であって、クレジットカードの現金化ではありません。こういう見え透いたウソをホームページに掲げる業者ですから、その広告内容が信用できないのは言うまでもありません。

現金化業者に渡した個人情報は悪用される危険

住所氏名はもちろん、クレジットカード番号も業者に知られています。身に覚えのない請求書が届いたり、あやしい業者からの電話が頻繁にかかってくるなどのトラブルに巻き込まれる例はめずらしくありません。

クレジットカードの現金化には手を出しちゃダメ

クレジットカードの現金化は、何があっても利用してはいけません。

目先の現金に心を奪われ規約に違反してしまうと、「支払いの一括請求」あるいは「カードの利用停止」「カードの強制退会」「刑事告訴」「自己破産時の免責不受理事由」といった割に合わないデメリットが待ち受けています。

また、悪徳業者につかまると、提供したクレジットカード番号や個人情報が悪用され、思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクを負うことにもなりかねません。

その一例として、クレジットカードで購入した覚えのない架空請求がきたり、情報が転売され別の悪徳業者から勧誘がきたりします。

借金の返済で首もまわらない状況なら、現金化でその場しのぎをするのではなく、はやめに専門家に相談しましょう。それが解決への早道です。

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奥野めぐみ

専門知識: 奥野めぐみは活水女子短期大学卒業後、消費者金融業界で5年間の経験を積み、貸金業務取扱主任者の資格を取得し、3級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保持しています。彼女の専門知識は金融分野における実務経験に基づいています。
学歴: 活水女子短期大学卒業
職歴: 消費者金融業界での5年の経験
資格: 貸金業務取扱主任者の資格、3級ファイナンシャル・プランニング技能士

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