結婚は人生の中でも大きな決断の一つです。愛する人と協力し合い、未来を築いていくためのパートナーシップ。
しかし、思い描いていた生活とは違う困難に直面することもあります。今回の主人公は、ギャンブル癖を持つ夫による借金350万円という現実に直面した46歳の主婦、さくらさん。
さくらさんの悩みは、単なる借金問題にとどまりません。家庭の将来や生活そのものが脅かされ、離婚も考えたことがあるといいます。それでも、夫を支えながら生活を立て直したいという強い思いを抱えている彼女に、専門家からどのようなアドバイスがあったのかを詳しく見ていきましょう。
このブログ記事では、さくらさんの事例を通して、家計再建のための具体策やギャンブル依存症への対応方法をわかりやすく解説します。
借金350万円の現実に直面したさくらさんの生活

さくらさんが直面した問題とは?
さくらさんは結婚して5年が経ち、夫婦生活を送る中である日重大な問題に直面しました。それは、夫が350万円もの借金を抱えていたこと。
さらに、夫には過去にも自己破産した経歴があり、その原因もギャンブルによるものだったのです。
さくらさんがこの事実を知ったのは結婚して数年後のこと。夫の言動に違和感を覚え、詳しく調べた結果、借金の存在が明らかになりました。夫は再びギャンブルにのめり込み、その資金を作るために複数の金融機関から借り入れをしていたのです。
借金の詳細とその影響
さくらさんの夫が抱える借金は、以下のような内訳になっています。
借入先 | 借入額 | 毎月の返済額 |
---|---|---|
A銀行 | 100万円 | 3万円 |
Bカードローン | 45万円 | 1.5万円 |
消費者金融C | 100万円 | 3.5万円 |
消費者金融D | 80万円 | 3万円 |
E銀行 | 30万円 | 1万円 |
合計 | 350万円 | 12万円 |
これらの借金は、夫の収入から返済を続けていますが、生活費を差し引くと貯金する余裕はほとんどありません。月々の返済負担が重く、生活そのものに影響を与えています。
家計が苦しくなる理由
さくらさんはパートタイマーとして働いていますが、自身の健康状態があまり良くなく、働く時間を増やすことは難しい状況です。
また、夫は自営業であり、収入が安定しないため、家計に毎月安定した金額を入れられないことも問題です。
- 家賃:11万5000円
- 通信費:2万円(夫婦の携帯代と自宅のWi-Fi代)
- 食費:日用品費:6万円
- 趣味:娯楽費:1万円
- 雑費(病院代など):1万円
これに加えて夫のギャンブルが続けば、家計の黒字化は非常に難しく、今後の貯金も厳しい状況です。
離婚を考えた瞬間もあった
さくらさんは夫との将来を思い描きながら結婚しましたが、このような現実を前にして「離婚」という選択肢も考えたと言います。過去の夫の状況を知りながら結婚した自分にも責任があると考え、今も夫を支えたいと思っています。
しかし、離婚せずに夫婦で借金を返済していくとなると、しっかりとした家計再建プランが必要です。このままでは、夫の借金が膨らむだけでなく、家計が完全に崩壊してしまう恐れがあります。
まとめ:直面している問題の本質
さくらさんのケースで最も深刻なのは、夫のギャンブル依存による借金です。
以下のような問題が複合的に絡み合っています。
- 夫の借金総額が多額である
- 夫にギャンブル依存症の兆候が見られる
- 家計の収入が少なく、返済と生活費の両立が難しい
次章では、専門家からの具体的なアドバイスをもとに、さくらさんがどのように家計を立て直すべきかを詳しく解説します。
ファイナンシャルプランナーからの3つのアドバイス
アドバイス1:多重債務でギリギリの状態。一刻も早い決断を
まず、ファイナンシャルプランナー(FP)の豊田眞弓さんは「一刻も早い決断が必要」と強調しました。
現状のままでは、借金の返済が滞り、さらに新たな借り入れを行う可能性があるためです。
総量規制とは?
総量規制とは、消費者金融やクレジットカード会社などが「借り手の年収の3分の1を超える借り入れをしてはいけない」という法律です。この規制によって、借りすぎを防ぐ仕組みになっていますが、銀行からの借り入れはこの規制の対象外です。
さくらさんの夫は総額350万円の借金を抱えていますが、そのうち約225万円が総量規制の対象に該当します。この金額は、夫の年収の約3分の1を超える可能性が高く、今後は新たな借り入れが難しい状況です。
早急な行動の重要性
返済のためにさらに借金を重ねることは「多重債務」に陥る危険性があります。FPは以下のような決断を促しました。
- ギャンブルを完全にやめること
- ギャンブル依存症は病気と同じため、専門家の治療を受けることが必要です。
- 借金を減らすために債務整理を検討すること
- 任意整理や自己破産を選択肢に入れ、今の状態を改善するための行動を始めるべきです。
アドバイス2:まずは借金の全体像を把握。公的窓口も活用して
FPが次に提案したのは、「借金の全体像を正確に把握すること」です。
現在、夫の借金はさくらさんが知っている限り350万円ですが、実際にはそれ以上の借り入れがある可能性もあります。全体像を把握することで、解決に向けた具体策を立てられます。
借金の全体像を知るためのステップ
- 夫と話し合い、すべての借り入れを明らかにする
- 夫が隠している借金がある場合、それを把握することが重要です。
- 公的窓口に相談する
- 法テラスや消費生活センター、多重債務者向けの相談窓口を活用し、具体的な解決策を提案してもらうことが有効です。
- 専門家に依頼し、債務整理を進める
- 任意整理を行うことで、利息のカットや返済計画の見直しが可能になります。
アドバイス3:固定費の家賃とチリツモ節約で年間72万円を捻出
最後に、FPは家計を立て直すための節約術についてアドバイスしました。「返済を進めるには、固定費を削減し、生活費の無駄を見直すことが重要」とのことです。
家賃を見直す
現在、さくらさんの家賃は11万5000円と高めです。これを一時的にでも安い物件に引っ越すことで、月5万円程度を節約でき、年間で60万円の返済資金を作ることができます。
通信費や雑費を削減
さくらさんの家計では通信費が2万円と高めのため、以下のような見直しを提案しました。
- 夫の携帯プランを見直し、格安スマホに変更
- これで月5000円程度の節約が可能です。
- 趣味・娯楽費や雑費を工夫して削減
- 図書館を利用して書籍代を節約したり、ドラッグストアでの日用品購入を工夫するなどの「チリツモ」節約を意識します。
節約による効果
FPは、これらの固定費削減と節約で、年間72万円程度を返済に充てられると試算しました。この金額を計画的に返済に回すことで、借金完済に近づくことが可能です。
まとめ:行動を始めることが最初の一歩
FPからのアドバイスを受けたさくらさんは、「まずは夫と真剣に話し合い、借金の全体像を把握しよう」と決意しました。ギャンブルをやめてもらうことが最優先であり、それと同時に債務整理や節約を進めることで、家計再建の道が見えてきます。
ギャンブル依存症への対処法
ギャンブル依存症は病気と認識する
ギャンブル依存症は単なる「意志の弱さ」ではなく、れっきとした病気です。そのため、自分や家族だけで解決しようとするのは難しく、専門的な治療が必要です。さくらさんの夫も過去に自己破産しながらも再びギャンブルに戻ってしまったことから、依存症の可能性が高いと考えられます。
ギャンブル依存症の症状
以下は、ギャンブル依存症の主な症状です。
- ギャンブルをやめようとしてもやめられない
- 借金が増えても、ギャンブルを止めることができません。
- ギャンブルで得た快感を忘れられない
- 一度の大勝ちが忘れられず、借金をしてでも再び挑戦したくなります。
- 嘘をついてでもギャンブルを続ける
- 家族や周囲に隠れてギャンブルを続け、問題が深刻化します。
専門的な治療を受けることが必要
ギャンブル依存症は一人で克服することが難しいため、専門的な治療やカウンセリングを受けることが必要です。以下のような機関を活用すると良いでしょう。
専門機関の紹介
- 精神科・心療内科の依存症専門外来
- 医師によるカウンセリングや薬物治療を受けられます。
- ギャンブル依存症家族会(GAファミリーグループ)
- 同じ悩みを抱える家族と情報を共有し、サポートを受けられる場です。
- 自助グループ(GA:ギャンブラーズ・アノニマス)
- ギャンブル依存症本人が参加し、依存から抜け出すための助けを得られます。
相談窓口の活用
- 消費者ホットライン:188(いやや)
- 借金やギャンブル依存の相談を受け付けています。
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 法律問題を解決するための無料相談が可能です。
家族のサポートがカギ
依存症克服に向けて最も重要なのは、家族のサポートです。特に、さくらさんのように支えたいという思いを持つパートナーがいることは、治療において大きな支えになります。
家族ができること
- ギャンブルを責めない
- 責めることは逆効果となり、本人が現実から逃げてしまいます。
- 専門機関の受診を勧める
- 無理に治そうとせず、治療の必要性を冷静に説明します。
- 借金を管理する
- 家計を見直し、必要に応じて夫の収入を一時的にさくらさんが管理するのも一つの方法です。
まとめ:依存症克服への第一歩を踏み出す
ギャンブル依存症は治療が必要な病気であり、家族の支えと専門機関のサポートが不可欠です。
さくらさんは、夫を責めるのではなく、共に克服していく覚悟を持つことが大切です。次章では、家計改善に向けた具体的な節約術を詳しく解説していきます。
家計改善に向けた具体的な節約術
家計を改善するために必要なこと
さくらさんの家計を再建するためには、夫の借金返済を進めつつ、少しでも貯金を増やすことが大切です。
そのためには収入を増やす努力に加えて、支出を見直すことが不可欠です。無理のない節約を継続することで、長期的な返済計画を立てることが可能になります。
固定費の見直し
固定費は毎月必ず支払う費用であり、一度見直すと長期的に大きな節約効果が期待できます。
家賃の引き下げ
現在の家賃は11万5000円と家計の中でも大きな割合を占めています。FPのアドバイスでは「安い物件に引っ越すこと」で月5万円程度を節約できると試算しています。これを年間で計算すると、60万円もの節約になります。
通信費の節約
通信費は月2万円となっていますが、見直すことでさらに節約可能です。
特に、夫の携帯代が1万2000円と高額であり、格安スマホに変更することで大幅に削減できます。
変動費の見直し
変動費とは、食費や日用品費など月によって変動する支出のことです。この費用も無駄を減らすことで効果的に節約できます。
食費・日用品費を工夫して節約
現在、食費と日用品費に月6万円を使っていますが、節約術を取り入れることで月1万円程度の削減が可能です。
具体的な節約方法
- まとめ買いを活用する
- 週に1度まとめて購入し、無駄買いを防ぐ。
- 特売日や割引商品を活用する
- スーパーの特売日を活用し、安い商品をまとめ買いする。
- 外食を減らす
- 夫の昼食もできるだけお弁当にすることで、外食費を削減する。
雑費・趣味娯楽費の節約
趣味娯楽費や雑費は月2万円使っていますが、これも工夫することで削減できます。
- 図書館を活用して書籍代を節約
- 購入していた書籍を図書館で借りるようにする。
- ドラッグストアでの購入を見直す
- 必要なものだけを購入し、買いだめをしない。
これらを実践することで、月5000円程度の節約が可能です。これを年間にすると6万円の節約になります。
手元資金の管理方法
夫が自由に使えるお金を減らし、家計を見える化することで無駄遣いを防ぐことができます。FPのアドバイスでは「貯金150万円は手をつけず、いざという時のために確保するべき」とされています。
管理方法の具体例
- 家計簿アプリを活用する
- 支出を細かく記録し、無駄な出費を減らす。
- 夫に小遣い制を提案する
- 月の使える金額を決め、管理することで無駄遣いを防ぐ。
- 貯金専用口座を作り、貯蓄を守る
- 夫から見えない形で貯金口座を分け、貯蓄を維持する。
節約の効果:返済計画への反映
これらの節約術を取り入れることで、毎月6万円以上の返済資金を捻出することが可能になります。この金額を年間で計算すると72万円にもなり、計画的な返済が現実のものになります。
まとめ:無理のない範囲で続けることが大事
節約は一時的に頑張るものではなく、無理なく継続できる範囲で行うことが大切です。さくらさんの家庭でも、少しずつ節約を続けることで大きな成果を得ることができます。
次章では、夫婦の未来を明るくするための次の一手について解説します。
夫婦の未来を明るくするための次の一手

短期的な返済目標を設定する
借金を抱えたままでは家計が不安定なままです。そこで、FPが提案する最初のステップは「短期的な返済目標を設定する」ことです。
具体的には、3年以内に高金利の借金を優先して返済する計画を立てます。
返済計画の立て方
- 高金利の借金から優先して返済する
- 特に消費者金融からの借金は金利が高く、返済負担が大きくなります。
- 節約で生まれたお金を返済に回す
- 見直した固定費や変動費から生み出した6万円を月々の返済に充て、確実に返済を進めます。
- 返済した借金の枠を次の借金返済に充てる
- 1つの借金を完済した後、その分を他の借金返済に回していく「雪だるま式返済」を行います。
長期的な家計プランを立てる
短期的な返済計画が進んだら、次は長期的な家計プランを立て、将来の家計を安定させるための準備を進めます。
老後資金の準備
さくらさんの夫は自営業であるため、退職金がありません。また、過去に年金を免除していたため、将来受け取れる年金額も少ない可能性があります。そのため、老後資金を自分たちで準備する必要があります。
老後資金を準備するための方法
- 毎月少額でも積立を始める
- 借金完済後に積立を開始し、積立NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用する。
- 生活費を見直して無理のない範囲で貯蓄を続ける
- 無理に貯金額を増やさず、続けられる金額を設定する。
夫婦で協力して乗り越えた事例から学ぶ
FPは過去に多額の借金を抱えていた夫婦が協力し、数年で完済に成功した事例を紹介しました。この事例では、奥さんが強い覚悟を持ち、夫婦でルールを決めて協力したことが成功の鍵となったといいます。
成功事例のポイント
- 夫婦間で明確なルールを作った
- 使えるお金を明確にし、お互いが無駄遣いしないように管理しました。
- 進捗を定期的に話し合った
- 毎月の収支を確認し、目標金額に向けて進んでいるかを定期的に話し合いました。
- 支え合いながらモチベーションを保った
- 借金返済は長い戦いになりますが、夫婦で励まし合いながら乗り越えました。
夫婦で乗り越えるためのルール作り
さくらさんと夫が協力して借金問題を乗り越えるには、成功事例を参考にしながらルール作りを行うことが効果的です。
具体的なルール例
- 使えるお金を決める
- 毎月のお小遣いを決め、無駄遣いを減らす。
- 毎月の支出を話し合う時間を作る
- 月に一度、夫婦で支出を確認し、計画通りに進んでいるかを確認する。
- 進捗を視覚化する
- 返済額や貯金額をグラフにして可視化し、モチベーションを保つ。
まとめ:協力し合うことで未来は変えられる
借金問題は大変な試練ですが、夫婦で協力し合い、具体的なルールを作って進めることで解決の道は見えてきます。さくらさんのように家族の未来を思う気持ちがある限り、状況を改善することは可能です。
次章では、今回紹介した内容をまとめ、次に進むべきステップについて提案します。
まとめと次のステップ
この記事のまとめ
今回の記事では、借金350万円を抱えたさくらさんのケースをもとに、家計再建のための具体策を紹介しました。家計を立て直すためには、夫婦で協力しながら次のポイントに取り組むことが重要です。
記事で紹介した3つの重要なポイント
- FPからのアドバイスに基づいた多重債務の解消策
- まずは借金の全体像を正確に把握し、公的窓口や専門家を頼ることが第一歩です。
- 節約術を活用した支出の見直し
- 固定費の削減や日々の節約を積み重ね、年間72万円の返済資金を確保します。
- ギャンブル依存症への対処と夫婦の協力
- 夫のギャンブル依存を克服するために、専門機関を活用しながら家族全員で支え合うことが必要です。
次に進むべきステップ
さくらさんと同じように借金問題に悩む人にとって、最初の一歩を踏み出すことが最も難しいポイントです。しかし、次に進むべきステップを明確にすることで行動しやすくなります。
次に進むための具体的なステップ
- 夫婦で話し合い、今後の方向性を決める
- 離婚や共に借金を返済する道など、夫婦で選択肢を話し合います。
- 専門家に相談し、最適な返済方法を見つける
- 法テラスや消費者金融の相談窓口を活用し、債務整理などの具体策を検討します。
- 家計を見直し、節約をスタートする
- 家賃や通信費を見直し、日々の無駄をなくしていくことで、返済資金を捻出します。
この記事の活用法
このブログ記事は、家計再建を目指す人にとって具体的な行動計画を立てる際の参考になります。
活用のポイント
- 借金問題を抱える家族との話し合いの場で使用する
- 本記事を参考に、家族で具体策を共有し、協力して解決に向かうことができます。
- 家計見直しのためのガイドラインとして使う
- 節約術や固定費の見直し方法を参考に、毎月の家計簿を付けて管理を始めてみましょう。
- ギャンブル依存症の対処法を知る
- 専門機関や相談窓口の情報を利用し、依存症克服に向けた第一歩を踏み出せます。
結び:未来を変えるために今できること
借金問題は大きな試練ですが、解決への道は必ずあります。夫婦で協力しながら、無理のない範囲で家計を見直し、少しずつ改善していくことが大切です。専門家の力を借りることも恐れず、最善の選択をすることで、未来を明るく変えていきましょう。