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ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症はれっきとした病気です。診断名は「病的(びょうてき)賭博(とばく)」と呼びます。経済的・社会的・精神的な不都合(問題)が生ずるにもかかわらず、ギャンブル(パチンコ・パチスロ・競馬・競輪・競艇など)を止めることができない状態を言います。
ギャンブルにはまり、自分で自分をコントロールできない状態となり、ヤミ金などからの借金や失職、家族不和、うつなどの弊害を伴うことが多くあります。
ギャンブル依存推計2.7%…11都市・成人調査
厚生労働省は31日(2017年3月11日)のギャンブル依存症対策に関する関係閣僚会議で、都市部の成人の2.7%が生涯で競馬やパチンコなどへのギャンブル依存が疑われる状態になったことがあるとの調査結果を公表した。単純計算すると全国で約280万人に上ることになる。過去1年に限れば0.6%(約60万人に相当)だった。
ギャンブル依存症は、ギャンブルによって経済的、社会的、精神的な問題が生じる状態になってもやめることができない病気。調査は昨年から国立病院機構久里浜医療センター(樋口進院長)が中心となって実施した。米精神医学会が策定した診断基準に基づく調査票を使って無作為抽出した全国11都市の成人に面接で質問し、約1000人分の回答を集計した。今後、医師による診察を実施するとともに、都市部以外に調査対象を広げる。
同センターなどは2013年、全国の成人約4000人を対象に別の質問票に記入してもらい回収する方式で調査を実施。成人人口の4.8%に当たる536万人がギャンブル依存症と推計していた。
一方、政府は関係閣僚会議で対策強化に向けた論点整理をまとめた。競馬などの公営競技場やパチンコ店について、本人や家族の申告で入場を制限できる仕組みの導入などを課題として明記した。パチンコに関し、出玉規制の基準見直しや、業界の取り組みを評価する第三者機関設置も盛り込んだ。今夏をめどに「工程表」を策定する。菅義偉官房長官は会議で「安易な依存を招かないよう、事業者が必要な対策を講ずることが不可欠だ」と語った。
毎日新聞電子版2017年3月31日より引用
ギャンブル依存症は精神疾患
ギャンブル依存症だけに限らず依存症と言われるものは、社会生活を送る上で支障が出ているにも関わらず、止めることができない状態のことです。
ギャンブル依存症の原因
依存症は大きく2つに分けられます。
物への依存 | アルコール・タバコ・薬物など |
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行動への依存 | ゲーム・ギャンブル・買い物・恋愛など |
依存症のメカニズムは、脳内のドーパミンとセロトニンが関係していると言われています。
通常は楽しいことをすると脳内のドーパミンが快楽神経のスイッチを入れ興奮状態にします。それと同時にセロトニンも分泌され興奮を押さえて精神を安定させます。
しかし、ストレスなどで分泌バランスが崩れるとセロトニンの抑制が弱まり、ドーパミンが暴走し、快楽に歯止めが効かない状態になります。
覚醒剤(麻薬やコカインなど)やタバコなどには、ドーパミンを増やす効果があるのでやめたくてもやめられなくなり、更に強い刺激を求めてしまうのです。
ギャンブル依存症の克服方法
ギャンブル依存症は病的賭博と言う精神疾患で病気なので治療が必要です。ギャンブル依存症の疑いや不安がある場合には、精神科か心療内科を受診しましょう。
「意思が弱いからやめられない」という古い考えを持っている人もいるようですが、個人でなんとかなるような問題ではありません。専門家の助けを借りましょう。
治療方法 | 治療内容や目的 |
---|---|
通院治療 |
薬物治療はありません 集団:グループミーティング・セミナー・講義 個人:カウンセリング・生活学習 |
入院治療 |
借金などで破綻した場合の居住 共依存の家族と距離を置く 社会的スキルを身に付ける |
家族支援 |
講演・レクチャー 集団:グループミーティング・セミナー 個人:個別相談 |
ギャンブル依存症治療の費用や期間
ギャンブル依存症の治療期間は人それぞれ個人差があります。数ヶ月で克服する人もいれば、何年もかかる場合もあります。
心療内科 | 1回2,000~3,000円/入院1日4,000~9,000円 |
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カウンセリング施設 | 1ヶ月20~40万円 |
心療内科などの病院は健康保険が適用されますが、カウンセリング施設は保険適用外になります。
依存症を克服してからも試練
ギャンブル依存症を克服した後でも完治はないと言われています。
当サイトの管理人は15年以上タバコを吸っていました。3年前に禁煙したのですが、今でも無性にタバコを吸いたくなる時があります。
ギャンブル依存症の治療をしたあとも私のタバコと同じようにふとしたときにギャンブルをしたくなることがきっとあると思います。
ギャンブル依存性借金
ギャンブル依存症が引き起こす弊害にギャンブル依存性借金があります。
ギャンブル依存症は病気なので財布の中が空っぽになっても貯金が0円になってもギャンブルを止めることができません。借りられるならどこからでも借金してギャンブルを続けます。当然そんな生活は長くは続けられず生活は破綻します。仕事を失うこともあるでしょうし家族を失うこともああります。お金のために窃盗や詐欺などの犯罪に手を染めることだってあります。
管理人の声
最近知り合った知人の話です。彼は現在とある社会福祉法人で介護職員として働いています。親分肌の性格で困っている人がいると見過ごせないようなので天職だろうと感じます。
その彼は数年前に横領事件を起こしました。金額はなんと650万円。そのお金のほとんどをパチンコや競輪、競馬などのギャンブルに使ってしまったそうです。
悪いことは必ずバレてしまいます。のちに横領が会社に発覚し、警察に逮捕。懲役6年の実刑判決を受け服役したそうです。
第三者の私たちから見ると650万円も横領したらすぐにバレてしまうのに・・・と思うのですが、ギャンブル依存症の当事者にはそんな簡単はことも判断できないようです。
ギャンブルの借金返済
ギャンブルで借金を作ってしまい苦しんでいる方もいらっしゃるでしょう。ギャンブルをやめると決めたら次の解決方法を検討しましょう。
おまとめローン
複数の借入先を一元化することができます。
債務整理
任意整理、個人再生などで返済額が減額する可能性があります。しかし、個人信用情報機関に債務整理の記録の残るため数年間ローンや借入、クレジットカードの新規発行ができ無くなります。